『2週間で体が変わる グルテンフリー健康法』を読んでいて、アレルギーは、『免疫グロブリン(IG)』のタイプにより大きく分けて三種類あるということを知りました。
一つ目はIgEアレルギー。二つ目がIgGアレルギー。そして三つ目がIgAアレルギーです。このうち、グルテンフリー健康法に関係の深いアレルギーがIgGタイプのアレルギーで、免疫グロブリンの80%を占めているというのですから、実に影響が大きそうです。
ところが、このタイプはすぐに症状が現れるわけではないため『隠れアレルギー』ともいわれていて、通常の検査では気づかれないことも多いため、専門の機関で検査を受ける必要があるようです。
検査を受けずに自分でIgGアレルギーの有無を知りたい場合の手段として、この本では2週間完全にグルテン・カゼイン抜きの生活をしてみる方法が薦められていました。
IgG抗体の半減期は20日~24日といわれていて、2週間グルテン・カゼインを断って症状が改善されるようなら、アレルギーである可能性が高いといえそうです。
本人も家族も気づきにくい IgGアレルギー
アレルギーといえば、食べてすぐに症状が出たり、花粉やハウスダストなどによって痒みや湿疹・くしゃみ・鼻水などが出るタイプのアレルギーを思い浮かべがちですが、それらは【IgEアレルギー】と呼ばれる即時型のアレルギーです。
IgEアレルギーの症状が強く出た場合、めまいや呼吸困難、意識障害などが起こることもあり、最悪の場合死に至ることもあるので(アナフィラキシーショック)、テレビや雑誌などでもその危険性がたびたび取り上げられています。
一方、『グルテン(小麦)に関連する疾患』に関しては、【IgGアレルギー】と呼ばれる遅発型アレルギーが関係していると考えられていて、前述のとおり免疫グロブリンの80%を占めているのがこのIgGタイプなのだそうです。
このIgGアレルギーは、反応が出るまでに数時間~数日かかることもあり、症状もさまざまで分かりにくいため、本人も家族もアレルギーであることに気づかないまま日常的にアレルゲンの摂取を続けているケースも少なくないようです。
食べてしばらくしたら眠くなったり、だるくなったり、頭が痛くなったりする場合もあれば、落ち着きがなくなったり、イライラしたり、落ち込んだり、人に対して攻撃的になったりすることもあり、そのせいで発達障害と診断されてしまう人も多いそうですから、なかなかやっかいです。
こんな症状があったら小麦アレルギーの可能性アリ?
グルテン・カゼインアレルギーによって引き起こされている可能性のある症状の一例として、
- いつもだるい
- 朝起きられない
- 寝ても疲れがとれない
- 物事に集中できない
- イライラする
- 頭痛がする
- 頭が重い
- 肩こりがひどい
- お腹が痛い・便秘・下痢をよく起こす
- 関節が痛い
- アトピーがある
- 喘息がある
- 花粉症がある
- 食べた後に胃がもたれたり膨満感がある
- 生理不順・月経前症候群・生理痛がある
- 肌が荒れている
- 貧血気味
- 抑うつ状態
- 手足のしびれ
- 発達障害や自閉症だと診断された
- 統合失調症だと診断された
等があげられます。
世の中の大半の人が当てはまっているような気がしませんか?
トマトを食べたら顔つきが変わって暴言を吐くように?!
この本の中で、いくつか遅発型アレルギーの症例が紹介されているのですが、その中に『トマトを食べると顔つきが変わり、暴言を吐く』という海外の食物アレルギーの症例が載っていました。
野菜や果物に含まれているたんぱく質でもアレルギー(遅発型アレルギー)を引き起こすとなると、一体何を食べればいいの?と、ほとんどの人が思ってしまうのではないでしょうか。
現在、アレルギーの原因となりにくいとされている食べ物としてよく利用されているのが『米』と『肉』です。とはいえ、米や肉を食べることによって体調不良が起こる事もありますので、注意が必要です。
このあたりのことについて書き始めるととても長くなってしまうので、また別の機会に改めて書きたいと思っているのですが、アレルギーや体調不良を引き起こしている本当の原因は、その食材を育てた環境や使用した肥料や飼料・薬品などによるところが非常に大きいため、実際のところ「この食べ物は身体によい(悪い)」というようなことは一概には言い切れません。
発酵食品ですら、『発酵させているからまだ食べられる』というレベルの物がたくさんあるのが現状です。
その食べ物が『どこで』『どうやって』作られたのかを知ることが大切
本当に具合の悪い人なら体感されていることと思いますが、例えば「自然栽培の米なら食べても大丈夫だけど、有機栽培の米だと具合が悪くなる」とか、「有機栽培に切り替えてから3年以上たっている田んぼの米なら大丈夫だけど、3年未満の田んぼの米だと具合が悪くなる」というような人もたくさんいます。
野菜でも同様に、未熟な有機肥料や、遺伝子組み換えの飼料を食べた動物の排泄物を肥料として使用した場合、その野菜を食べることによって具合が悪くなっていることも多々ある、ということです。
微生物の力を借りた肥料作りや土作りなどが最近広がりつつありますが、まだまだ一般的でないのが現状ですし、それも後手後手の対応策です。
その他にも知っておくとよい情報が満載の書
話が脱線してしまいましたが、『2週間で体が変わる グルテンフリー健康法』には、他にも
・グルテンやカゼインは脳内で麻薬様物質に変化する
・あらゆる病気にかかわる腸の炎症について
・低血糖症について
・腸から健康になるおすすめの栄養素について
等々、現役の栄養療法専門クリニックのドクターならではの情報がたくさん載っていましたので、体調不良に悩んでいる方やお子様がいらっしゃる方は特に、一度読まれておくと良いかと思います。