こんにちは。Yoshiです。
今日は、『磁石が果実を甘くする』という本について感想を述べてみたいと思います。
『磁石で果物が甘くなる?!』に迫る
この本では、愛知県刈谷市の中学生がある新聞記事を見たことがきっかけとなって、磁石による実験を開始したところから話が始まります。
ここで中学生の目に止まった記事には、【ビワの枝に磁気ばんそうこうを貼たらビワが甘くなった】という農業技術センターによる実験結果報告が紹介されており、実際の糖度の比較結果や、ホルモン剤等いらずで栽培できるようになるかも?といった有望な内容が綴られていました。
そして、実験しやすいトマトの実による実験が始まるのですが、ただ【磁石を貼ったもの】と【貼らなかったもの】という比較実験だけで終わらなかったところが、この本素敵なところだと思いました。
このあたりは、さすが中学校理科部といった感じでした。
甘くなることは確認できた!でもなんで?
さらに、実験の結果【磁石をつけるとたしかに甘くなる】ことを確認したあとは、「なぜ磁石をつけると甘くなるのか?」という検証に入っていきます。
この本はページ数としては74ページしかありませんし、文字数もそれほど多くはありません。ですが、順を追って疑問を解決していく過程で、さまざまな実験内容や参考データ(写真等や表など)が大変豊富に掲載されていて、とても内容が濃い本だと思いました。
実験はトマトの糖度比較だけにとどまらず・・・
終盤では『ピップフジモト株式会社』(エレキバンの会社)の協力を得てさらなる実験へと踏み込んだり、磁化水の実験やホルモンの実験、さらにトマトにとどまらず、スイカやカキ、イチジク、ミカンなどでも実験を継続してみるなど、もはや羨ましいとさえ思える追究心にすっかり関心しました。
また、「どうせなら実じゃなくて茎に磁石をつければよかったのに・・・」と思っていた私の心を見透かすかのように、最後に【成長】についての実験結果が掲載されていました。
そこでは茎に磁石をつけていたものがひときわ大きく成長していたトマトの写真が添えられ、「種の発芽には磁石は効果がなかったものの、植物のからだ全体の成長には効果があるのかもしれません」とまとめられていました。
最後に
この本は、図書館の書棚に並んでいたのをたまたま見つけて借りてきました。
私は電気(電子)的なものに興味があるので、その類の本はこれまで結構読んできました。
しかし、このような子ども向けの本はこれまで目にしたことがなかったので、とても興味深く感じましたし、新鮮でした。
磁気ばんそうこうや磁化水などについては昔から賛否両論といった感じですが、【効く・効かない】というよりも、磁力による影響は確実に【ある】という捉え方をするのがまず適切かと思います。
代謝や神経伝達には電子の働きが欠かせませんし、地球に磁力があるからこそ私たちはこうして存在できています。
そして、昔からある【炭を地下に埋める方法】なども、この【電子の働き】を活用するための一つの方法として、今でも家を建てる際や土壌改善などに取り入れられています。
・・・こういう話を始めると際限がないので今回はやめておきますが・・・
「磁石がなぜ血行を良くするといわれているのか?」「ホルモンは生物にどう作用しているのか?」ということについて興味のある方には、参考になる部分があります。
心優しくピュアな中学生の子どもたちに混じって、一緒に実験に参加しているかのような感覚で読み進められる本でした。