友人が製麺業(素麺専門)に携わる男性と結婚したことから、私もそうめんについてあらためて知りたいと思うようになりました。
そもそも、そうめんの歴史や製造過程などについて知る機会はこれまであまりありませんでしたし、わざわざ調べてまで知ろうと思ったこともなかったので、今回いろいろと調べてみて、まさに目からウロコがぼろぼろと落ちる思いでした。
そうめんもまた、奥が深くて日本人らしい食の文化から生まれたものだったのですね。
素麺は発酵食品だった
今回調べてみて何より驚いたのが、そうめんが発酵食品だったということです。それまでなんとなく避け気味だったそうめんなのですが、このことを知っただけで、そうめんに対する印象が一気に急上昇しました。
パスタともうどんとも違う独特の麺
冬に造られたそうめんは、梅雨を越すことによって高温発酵するのだそうです。そうめん自体の水分や空気中の湿気によって酵素が活発に働いた結果、脂質やタンパク質・デンプンが分解され、結果的に旨みが増してコシも強くなるのだとか。
ここ数年の酵素ブームに便乗して、私も自分で酵素ジュースを作ったり、ヨーグルティアで『しょうゆ麹』や『甘酒』、『豆乳ヨーグルト』などを作って楽しんできたのですが、やはり自然の時を経て醸される食品の魅力に、あらためて感じ入っているところです。
そうめんには「古物(ひねもの)」と呼ばれる梅雨を2回越したものと、古物をさらにもう1年寝かせて梅雨を3回越した「大古物(おおひねもの)」があるそうなのですが、そうめんが発酵食品だと思っていなかった私は、今までなぜ古いそうめんが良いのか、ピンときていませんでした。
それが、今回そうめんが発酵食品だということを知って、一気に腑に落ちました。
3年物の味噌やしょうゆ・梅干・お茶など、長い時間をかけて発酵・熟成されたものが良いといわれていることと同じことが、そうめんにも言えるのですね。
時間をかけて発酵すればするほど、素材そのものが持つパワーと私たちの身体を活かすパワーが強化されるという、まさに錬金術のような発酵の力。
今年はより一層そうめんを楽しめる夏となりそうです。
ちなみに『うどん』は、そうめんを作る過程で派生した『自家用簡略版のようなもの』がその始まりなのだそうです。簡単に作れて食べられるうどんが、そうめん作りの流れの中で食べられるようになったと知って、なるほどと思いました。